USBメモリは、軽量で持ち運びしやすいため、データを保存して持ち歩いたり、外出先でデータを簡単にコピーできたりします。
そのため、仕事のデータ受け渡しで使われる方も多いと思います。
そんな大切な仕事のデータが入っているUSBメモリが、前日までは使えていたのにパソコンに挿しても認識しない・・・。
突然お使いのUSBメモリでそんな状況になったら、どうすればよいか、考えたことはありますか。
また、そのような状況にならないためには、どうすればよいでしょうか。
今回はUSBという機器がどのような特徴を持っているか、また故障の症例・実際の復旧実績をご紹介します。
目次
USBメモリ「Universal Serial Bus」(ユニバーサル・シリアル・バス)とはコンピュータに接続してデータの読み書きを行う半導体メモリを用いた補助記録装置(保存用媒体)のことです。
持ち運びに便利でかつ手に入りやすいこともあり、多くの方が使用されています。
以前は、「2GB」「4GB」「8GB」「16GB」など少容量のものが主流でしたが、
最近では「1TB」や「2TB」など、HDD並みの容量が保存できるものまで販売されています。
USBメモリのデータ保存に使用されているフラッシュメモリには、寿命(データ書き換え可能回数や保持期間)があります。
記録方式の違いにより、寿命にも差が発生します。
記録方式には「SLC」「MLC」「TLC」の3種類の方式があります。
メモリの種類 | 最大書換え回数 | 販売価格 | 使用用途 |
TLC | 数百回-数千回程度 | 低価格 | 市販の安いUSBメモリに多い |
MLC | 最大1万回程度 | TCLより高価 | 耐久性を謳っているUSBメモリに多い |
SCL | 最大10万回程度 | 非常に高価 | 耐久性の信頼が高い、市販品はあまり見かけない |
このように、USBメモリにはその種類によって寿命に差があり、重要なデータをUSBメモリだけに保存していると、ある日突然データを失う恐れがあります。
そのため、ノベリティ品などの出所の不明な機器や、あまりに安すぎるUSBメモリについては、普段から時々バックアップをとることを心がけましょう。
また、たまにしか使用しておらず時々保存用にUSBを使うという方でも、いざ使用しようとした時データが消えていたり、認識しなかったりということもあります。
これは電池の自然放電のように、部分的にデータ欠損が起こるためです。
USBメモリは一般的には10年近くのデータ保持期間があるとされていますが、保管する場所や環境によっては、4、5年、あるいはもっと早い段階でデータが消えてしまうこともありえます。
そのため、ハードディスクと同じような感覚で、大切なデータをUSBメモリに長期保存することはおすすめできません。
USBメモリが認識されなくなる原因は様々な要因が考えられます。
対処方法を誤ってしまうと、2度とデータが復旧できなくなる可能性もあります。よって、障害をきちんと見極める必要があります。
USBメモリが認識しなくなる主な原因を紹介いたします。
USBメモリが正しく挿し込まれていないと、正常に認識させることができません。
例えばパソコンで全く反応がない場合は、USBメモリのコネクタがしっかり挿し込まれているか、今一度確認しましょう。
パソコンのUSBポートやUSBの端子に埃やごみがたまっている場合も認識しない場合があります。取り除いてから再度接続を試してみてください。
USBメモリの障害原因として見落としがちなのがこの場合です。
パソコンに複数の機器が接続されていたり、複数のUSBポートを接続できるハブを使用していたりする場合、電力が不足し、認識しなくなることがあります。
その場合は、他のパソコンに挿し込んでみるか、接続されている機器を減らして再度試してみてください。
USBメモリ自体に異常がなくとも、接続している機器の異常で認識しなくなることもあります。
上記のUSBメモリの原因を試してもうまく認識しない場合は、他の機器に接続し、正常に認識するかを確認してみてください。
USBメモリ自体に障害が発生している場合もあります。
障害には「論理障害」と「物理障害」があります。
論理障害とは、USBのシステム障害やデータが破損した状態を指します。
データを操作している途中でUSBメモリを抜いてしまったり、接続している機器の電源が急に落ちる、経年劣化などの原因で発生します。
・データの読み書きするスピードが遅い
・「フォーマットしてください」と表示される
・データコピー(データの保存)をしていると急にコピーできなくなった
等が発生します。
異常だなと感じた場合はむやみに作業を行わず、復旧を行いましょう。
この障害の場合、ネットや家電量販店などで販売されている復旧ソフトを使って、自力で復元するという選択肢もあります。
しかし復旧ソフトを使用しても、必要なファイルが見つからなかったり、ファイルがあったとしても正常に開かない場合があります。
さらにソフトを使用中はUSBメモリに負荷がかかりますので、解析途中で障害が悪化し、全く反応しなくなる可能性もあります。あくまで、自己責任の範囲で行ってください。
安全に復旧を試みたい場合は、データ復旧を専門で行っている業者にご相談することをおすすめします。
データ復旧サービスの専門業者であれば、精度の高いデータ復旧ソフトを取り揃えていたり、復旧方法について様々なノウハウがございますので、自力では取り出せなかったようなデータも救出できる可能性があります。
物理障害とは、強い衝撃を与えたり、様々な要因によりUSBメモリが物理的に故障している状態のことです。USBメモリのコネクタと基板の接点部は脆く、軽い衝撃でも折れ曲がってしまったり、破損することがあります。
また、静電気や過電圧などが原因でまったく認識しなくなったり、接続先側のUSBポートの不具合によって障害が起こることもあります。
・USBメモリを挿しても一切反応しない
・「フォーマットしてください」が何度も繰り返し表示される
・挿したときに反応はあるが、エクスプローラ上にUSBの情報が出てこない
等が発生します。
物理障害の復旧には、一時的にデータを読み込ませるために部品交換や専用の知識と技術・設備が必要になります。自力での復旧はほぼ困難なので、高度な技術力を持った専門業者でないと復旧できない可能性が高いです。
まれに自力でメモリを分解したり、はんだ付けを行って解決しようとされる方もいらっしゃいますがかえって悪化する可能性があります。
できるだけ専門の復旧業者にご相談することをおすすめします。
ここで、弊社特急データ復旧Win-Get!が、実際にご依頼いただいたUSBメモリの復旧の事例をご紹介します。
「フォーマットしてください」と表示されるUSBメモリからのデータ復旧
福岡県 情報通信業
メーカー:ELECOM製 16GB
障害媒体:USBメモリ
ノートパソコンにUSBメモリを接続し、データの編集を行っていました。データを保存しようとしたら、しばらくたっても保存ができなかったので、USBメモリを抜きました。
その後、再度パソコンに挿し込んだところ、「フォーマットしてください」と表示されるようになってしまいました。
インターネットで「USBメモリ復旧」や「USBメモリ復元」などで検索すると、復旧ソフトでデータ復元できる可能性があると書かれていました。
そのため、ネットから無料のソフトで復元を試みましたが、必要なファイルが何もでてきませんでした。USBメモリの中には仕事で使用する重要なデータが入っており、何としても復旧をさせたいのでデータ復旧専門業者に依頼することにしました。
情報通信業の企業様で、USBメモリ以外にデータを保存されていなかったということで、非常にお困りのご様子でした。
初期診断を行った結果、読み書きができない領域(以下、不良セクタ)が多発しており、読込スピードが非常に遅い状況でした。このままでは、完全なデータ復旧が難しいため、分解作業を実施し、中のROMチップからのデータ復旧を実施しました。
結果、99%以上のデータ復旧に成功いたしました。
今回は分解作業により無事にデータ復旧に成功することができましたが、非常に難しい状況でした。
お客様にご報告したところ、データ復旧の目処が立ちそうとわかってホッとされていました。障害が発生してもなお通電を続けてしまうと悪化してしまい、最悪の場合、データ復元ができなくなる場合があります。
復旧の成功率を高くするためにも、何かトラブルが発生した際は、データ復旧業者にお早めにご相談いただければ幸いです。
いかがでしたでしょうか。記事を見られた方の中には、USBメモリがないと仕事にならないという方も多いと思います。 今回の記事を通して、USBメモリにしか保存していない場合のリスクを認識いただき、今後のデータ運用について考えていただければ幸いです。
また、近年USBメモリでも数百〜1TBなどの大容量モデルが手に入るようになった反面、復旧にかかる日数やコストは 容量が大きいもの程かかってきてしまいます。 Excel、Word等のOffice系のデータなど、1つあたりのデータサイズがそこまで大きくない場合は、安易に大容量を選ばず、用途に合ったUSBメモリをお使いいただく事もご検討ください。
特急データ復旧ウィンゲットでは、全国に店舗を展開しているデータ復旧サービスの専門業者です。 今回取り上げたUSBメモリの軽度障害・重度障害の復旧対応や、データのバックアップに関する相談事も承っております。お困りの際は、お気軽に「特急データ復旧Win-Get!」までご相談ください!
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当社の6都市にある店舗(札幌・東京・横浜・名古屋・大阪・福岡)、全国の受付センターにて対応が可能です。店頭では、データ復旧のご相談を伺い、専門スタッフがお客様のご要望に合わせたデータ復旧サービスをご提案いたします。
店舗への来店が難しい地域の方々には、上記店舗へ機器を郵送していただく【郵送受付】も行っております。なるべくお客様の近くで対応できるよう、各店舗を設けております。
一つでも多くの確かな証拠データを割り出すために、信頼の技術力を持った当社をお選びいただくことをおすすめいたします。
データ復旧の実績
累計60,000件
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