SDカードと言えば、「GoPro」や「一眼レフカメラ」、「ビデオカメラ」、「ドライブレコーダー」など映像機器、スマートフォンの外部ストレージとして、利用する事が多いデータ保存メディアではないでしょうか?殆どの場合、写真や動画等、映像データを主に保存するため、大切な場面を記録する事もあるかと思います。
しかし、「大切な写真や動画を撮りためていたSDカードが認識しない!」
と言った、現象がある日突然起こってしまうのも事実です。
そのようなSDカードは、認識しなくなった場合データ復旧は出来るのか?
また、大切なデータを保存するメディアだからこそ知っておきたい注意点などをご紹介致します。
目次
SDカードのSDは「セキュアデジタル」の略称で、著作権保護機能を追加したフラッシュメモリの事を指します。
※正式名称は「SDメモリーカード」
同じフラッシュメモリを使う「USBメモリ」とは違い、音楽や映像データなどが不正コピーされないようにする仕組みを持ち合わせているのです。
著作権保護機能の簡単な仕組みとしては、データ自体に著作権情報が付随している場合、その著作権情報をSDカード自体が持ち合わせている「鍵情報」を使って暗号化を行います、同時にデータそのものも暗号化されます。ちなみに、暗号化された著作権情報は、特殊な「プロテクト領域」に保管されるため、データ復元ソフト等でも取り出しができなくなります。SDカードに保存したデータを使う際には、SDカードと保存したPCの情報が一致している場合、暗号は解除され、データを使う事ができ、更には、データのコピーも出来るようになります。
しかし、著作権情報はコピーされないため、例え他のSDカードやUSBメモリにデータを保存したとしても、再生や閲覧が出来ない仕組みとなっています。
ただ、この機能は著作権情報を持つデータに対して働くもので、カメラで撮影したデータなど、著作権情報を持たないデータに関しては、USBメモリと同じ感覚で、他のSDカードやPCへデータのコピーと閲覧は可能です。
一般的に販売されているSDカードには大きさ、容量、転送速度で種類が分かれます。
SDカードは大きさによって2種類に分けられます。
・SDカード→主にデジカメやビデオカメラ、パソコン、プリンタ、テレビなどに用いられます。
・microSDカード→SDカードの約1/4程度の大きさで、携帯電話やスマホ、タブレット、オーディオプレーヤーなどに用いられます。
SDカードには容量によっても種類が分かれています。中には、デジタルカメラ等の機器によって使えるSDカードの容量に制限がありますので注意が必要です。多くの場合は、どの容量のSDカードが使えるか機器にプリントされていますので、注目してみてください。
※容量による違いは、SDカード・microSDカード両方とも同じです。
・SDカード/microSDカード→ 〜2GB
・SDHCカード/microSDHCカード→ 4GB〜32GB
・SDXCカード/microSDXCカード→ 64GB〜2TB
※2022年12月21日時点の情報となります
最後に、SDカードはデータを転送する速度でも種類が分かれます。
ここで一つ注意したいのが、高性能なカメラを使う際、推奨される転送速度をSDカードが満たしていないと、データの欠損やそもそもデータが保存されないといったトラブルが起きる場合があります。特にデータの欠損が起きてしまうと、データ復旧ソフトや復旧業者でも復旧は出来ないことがほとんどですので気を付けましょう。
転送速度では以下の3つに分かれます。
・スピードクラス(低速〜中速)
→ Class2・4・6・10(転送速度が最低2MB/秒から10MB/秒)
・UHSスピードクラス(中速〜高速)
→ UHS Speed Class 1・3(転送速度が最低10MB/秒から30MB/秒)
・ビデオスピードクラス(中速〜超高速)
→ 6・10・30・60・90(転送速度が最低6MB/秒から90MB/秒)
※2022年12月21日時点の情報となります
幅広い場面で使えるSDカードですが、その寿命はおおよそ2年〜3年程です。
また、その寿命に関してはどれだけSDカードにデータを読み書きしたかという、「書き換え寿命」が大きく関係してきます。買ってまだ1年のSDカードでも、多くのデータを書き込み、読み出しを行う事で直ぐに寿命を迎えてしまう事もあります。
※「書き換え寿命」はSDカードに使われているフラッシュメモリの種類によって左右されます。
メモリの種類 | 最大書換え回数 | 販売価格 | 使用用途 |
TLC | 数百回-数千回程度 | 低価格 | 市販の安いSDカードに多い |
MLC | 最大1万回程度 | TCLより高価 | 耐久性を謳っているSDカードに多い |
SCL | 最大10万回程度 | 非常に高価 | 耐久性の信頼が高い、市販品はあまり見かけない |
フラッシュメモリの種類については以下のサイトをご参照ください。
https://www.60min-data.com/usb/
SDカードにはどのような障害が起こるのでしょうか? 寿命や部品故障など原因は様々ですが、大きく以下の3点が挙げられます
SDカードをカメラやスマートフォン、PCへ挿入・接続した際「SDカードをフォーマットする必要があります」というエラーが出てくる事があります。
大抵の場合、「フォーマットをしますか?」と選択項目も出てきますが、絶対にフォーマットをしてはいけません。ここでいうフォーマットとは、データの初期化(削除)を意味します。
フォーマットをしてしまうと、一切データが復元できない状態になってしまう事が多くありますので注意が必要です。SDカードの寿命や機器からSDカードを正常に取り出さなかった際によく起こる障害ですが、フォーマットをしていない状態であれば、復旧出来る可能性が高い障害です。
市販の復元ソフトでも、回復できる可能性がありますが、SDカードの部品故障が絡んでいる場合もあり、例え復旧が出来たとしてもデータが開かなかったり、作業の途中でSDカードの部品が完全に破損してしまう事があるので十分注意が必要です。安全にデータを復旧する場合は、専門のデータ復元業者にご相談する事を強くお勧め致します。
久々にSDカードのデータを見ようと思ったら、「写真や動画が再生されない」「画像の色がおかしい」「データの名前がおかしな記号になっている」このような、データの破損やファイル名などの文字化けも発生致します。こちらも、SDカードの寿命やSDカードを正常に取り出さなかった際によく起こる障害ですが、一度破損したデータは元に戻す事が難しいため、データ復旧の難易度は非常に高いものとなります。
SDカードを使おうと思ったら、全く反応が無い。このような症状も発生します。
SDカードがカメラやPCなどの機器に接続しても全く反応しない場合、SDカードの寿命による完全な部品故障である可能性が高いです。主に、データを保存するメモリ部品が壊れてしまうため、データ復旧作業の難易度が高く、中には一切復旧が出来ないものもあります。
SDカードの部品故障でも、カメラやスマートフォンに接続した際「SDカードをフォーマットする必要があります」といったエラーが出てくる事がありますが、その際は一度PCへSDカードを接続し、PC上でもフォーマットのエラーが出てくるかどうかを確認する事で、症状の判断をすることができます。
しかし、このレベルになると自力で復旧は不可能となりますので、真っ先に専門のデータ復元業者に相談をしましょう。
SDカードの仕組みや寿命、起こりうる障害についてご説明してきましたが全般的にSDカードは仕組み上データの長期保存には向かないメディアになります。また、突発的に障害が発生する事が多いメディアになりますので、対策としては、こまめなバックアップやSDカードの入れ替えが必要になってきます。
近年では、無線通信付のSDカードが販売されており、カメラでの撮影後、自動でスマートフォンやPCへデータを転送行う事ができるものもありますので、データのバックアップとしても有効です。
しかし、SDカードの寿命自体は変わらないので、注意しながら活用をおこなってまいりましょう。
それでは、障害が発生してしまったSDカードはどのように復旧ができるのでしょうか?
「SDカードに起こる障害」でご紹介した「SDカードが認識しない・反応しない」症状に関わる、SDカードの復旧実績についてご紹介します。
ここで、弊社特急データ復旧Win-Get!が、実際にご依頼いただいたUSBメモリの復旧の事例をご紹介します。
全く認識しないSDカードからのデータ復旧
愛知県 情報通信業
メーカー:SanDisk
障害媒体:SDXCカード 128GB
Sony製のビデオカメラへ128GBのSDXCカードを挿入し1年程利用していました。
80GB分の動画データを撮影後、会社に戻ってから、動画データを編集しようと思い、カメラから取り出したSDXCカードを接続したところ全く認識しない状態になっておりました。
インターネットで「SDカード復元」や「復旧ソフト」と検索しヒットしたフリーの復旧ソフトを試したが、そもそも復旧ソフト上でもSDXCカードが認識されず、データの回復には至りませんでした。
重要なデータなので、なんとしても復旧したく、「SDカード復元業者」「データ復旧専門業者」と検索を行い、ヒットした専門業者へ復旧を依頼する事になったとの事です。
SDカード内のデータは、もう二度と、撮影できない動画データとの事で非常にお困りのご様子でした。お持ち込み頂いたSDXCカードを専門機器で診断を行った所、データを記録するメモリ部品が損傷している状況でした。
恐らく、「書き換え寿命」の上限を超えてしまった為に発生したものと判断しました。
復旧作業として、SDXCカードからメモリ部品を摘出し、復旧専用の特殊機材にてデータの解析・結合作業を実施、結果として約90%以上のデータを復旧する事に成功致しました。
今回は分解作業により無事にデータ復旧に成功することができましたが、非常に難しい状況でした。
お客様にご報告したところ、データ復旧の目処が立ちそうとわかってホッとされていました。障害が発生してもなお通電を続けてしまうと悪化してしまい、最悪の場合、データ復元ができなくなる場合があります。
復旧の成功率を高くするためにも、何かトラブルが発生した際は、データ復旧業者にお早めにご相談いただければ幸いです。
今回は、SDカードに関する情報をお伝えさせて頂きました。 冒頭でも触れましたように、SDカードはカメラなど映像に関する機器に多く使われるため、比較的消耗が激しいメディアです。 大切な写真や動画がある突然見れなくなることも決して珍しくないため、寿命や使うSDカードの種類など、是非ご参考頂ければ幸いです。
特急データ復旧ウィンゲットでは、全国に店舗を展開しているデータ復旧サービスの専門業者です。 今回取り上げたSDカードの軽度障害・重度障害の復旧対応や、データのバックアップに関する相談事も承っております。お困りの際は、お気軽に「特急データ復旧Win-Get!」までご相談ください!
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データ復旧の実績
累計60,000件
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