NASとは、LANで接続することができるネットワークHDDのことで「Network Attached Storage」の頭文字からNAS(ナス)という略称で呼ばれます。
USB接続の外付けHDDは原則、USBケーブルで繋がっているパソコン1台からしかアクセスが出来ません。 対してNASは、同じネットワーク上の複数のパソコンやスキャナなどからアクセスし、データ共有・保存することができるため、ファイル保存用のサーバーとして使用されるケースが多いです。
国内で流通しているNASのメーカーは、「Buffalo」、「IO DATA」、「QNAP」、「Synology」が有名です。
各メーカーが販売しているNASは、
「Buffalo」社:「LinkStation」「TeraStation」
「IODATA」社:「LANDISK」
といった名称で流通しています。
ここでは、NASでよくある障害の事例や、障害が発生したときの復旧方法を説明します。
目次
NASに搭載されたハードディスクの故障が、NASで最も多いトラブルです。ハードディスクの障害状況によっては、最悪の場合、データが消失してしまいます。
パソコンとNASをつなぐネットワークの不具合が原因で発生します。ネットワークエラーによって、パソコンとNASがつながらず、データやファイルを引き出すことができません。
電源が入らないなど、機械本体のトラブルが原因です。この場合はハードディスクなどに影響を及ぼしません。
RAIDは複数のハードディスクを一台のハードディスクとして管理及び運用する機能です。このRAIDを管理する情報に不具合が発生したため、データやファイルにアクセスすることが出来なくなります。最悪、消失などの可能性があります。
NASに何かしらの問題が発生した場合、NAS本体は以下のように、ブザー音やランプの点灯、パネルの表示でエラーを知らせます。
NAS本体のパネルにエラーが表示される場合、内蔵ハードディスクかファームウェア破損、RAID崩壊などの原因が考えられます。
NAS本体のランプがエラーを示す点灯パターンの場合、ハードディスクの故障、RAID構成の異常が考えられます。
各種メーカーによって、エラーコードやエラーメッセージ、ランプの点滅パターンは異なります。メーカーのホームページなどにエラーコード・エラーメッセージ内容の記載がありますので、確認をしましょう。お問合せが多いメーカー毎のエラーコード、エラーランプの一覧は以下となります。
メーカー Buffalo | |
【ソフトウェアトラブル】の可能性があるエラー | |
E00 | システムが応答していません |
E04 | ファームウェアが破損しています |
E05 | システムが停止しました |
E06 | ファームウェアが壊れています |
E26 | レプリケーションでエラーが発生しました |
EMモード | エマージェンシーモード |
【筐体のトラブル】の可能性があるエラー | |
E06 | ファームウェアが壊れています |
E07 | ハードディスクが認識されていません |
E10 | UPS(無停電電源装置)で駆動している状態です |
E11 | ファンの回転数に異常があります |
E12 | システムの温度上昇が、保証値を超えました |
E13 | x番のRAIDアレイでエラーが発生しました |
E14 | x番のRAIDアレイがマウントできませんでした |
E17 | E17 基盤故障 |
【内蔵HDDのトラブル】の可能性があるエラー | |
E15 | x番のハードディスク故障です |
E16 | x番のハードディスクが見つかりません |
E22 | x番目のハードディスクのマウントに失敗しました |
E23 | エラーが発生し、x番のハードディスクがRAIDアレイから外されました |
E30 | エラーが発生し、x番のHDDがRAID アレイから外されました |
メーカー IODATA | |
STATUSランプ | |
赤点灯 | LAN接続モード時に起動停止、RAID崩壊時にディスクで異常発生 |
赤点滅 | LAN接続モード時にエラーが発生 |
消灯 | 本製品の電源が入っていない |
HDDエラーランプ | |
赤点灯 | 番号に対応する内蔵HDDが接続されていません |
赤点滅 | 番号に対応する内蔵HDDに問題が発生しています |
消灯 | 番号に対応する内蔵HDDが正常動作であることを示します |
ブザー音 | |
”ピー”と3回鳴動 | ディスクの容量不足や故障 |
”ピッ、ピッ”と鳴り続ける | ディスクの故障などによりRAID構成に異常が発生 |
”ピーポー”と鳴り続いている | 同じくディスクの故障などによるRAID崩壊 |
エラーコード | |
5000101 | 接続機器への接続数が上限です |
5000102 | 通信に失敗しました |
5010000 | インターネットに接続できませんでした |
併せて、データ復旧のお問合せの多い型番の一覧を以下に記載します。
メーカー Buffalo | |
シリーズ | TeraStation |
型番 | TS-3200D、TS-HTGL、TS-XHL、TS-WX、TS-XEL、TS-HTGL TS-XL、TS5200、HD-HTGL |
シリーズ | LinkStation |
型番 | LS220D、LS410D、LS420D、LS-WX・LS-WV、LS-WHLS-WSX LS-QVL、LS-WHGL |
メーカー IODATA | |
シリーズ | LANDISK |
型番 | HDL2A、HDL-GT、HDL-XR、HDL-CE、HDL2-H2、HDL-XV |
エラーコード、エラーランプがHDD故障を示すNASの場合、内蔵ハードディスクの異常によるものが多いです。これまでのデータ復旧事例から突発的に障害が発生することが8割以上といえます。
内蔵ハードディスクの異常の発生原因は、主に経年劣化であったりしますが、その中でも熱によるダメージが一番大きいと思われます。例えば、長年の使用で内部にホコリがたまり思うように廃熱ができないため状況では、HDDにダメージが蓄積して、ある時にいきなり障害が発生してしまうような感じです。
複数台搭載されているモデルは、内蔵ハードディスクの製造期間が同時期であるため、、一度ハードディスクに障害が発生すると他のハードディスクも間を置かずに障害が発生する可能性があります。
これまで多くデータ復旧の障害を見てきた観点から、データ復旧できる可能性を下げないようにするための「避けるべき対処」には以下のようなことが考えられます。
内蔵HDDに障害が発生すると、通電や動作でその障害が進行してしまうことがあります。障害が進行するとデータ復旧をできる難易度があがります。
特に“カチカチ”とか“ピーというブザーのような”異音がする状態ですと、HDDの磁気ヘッドと呼ばれるデータを読み書きする部品に障害が発生している物理障害の可能性が高いです。このよう場合、電源の入れ直しを繰り返すことでその接触状態が悪化し、記録面に傷がついてしまうことがあり、傷がひどいとどのデータ復旧専門業者でも復旧できないことがほとんどです。
また、HDDの障害発生時に磁気ヘッドの異常で記録面に傷がついてしまうこともあります。
RAIDが組まれているHDDの障害がある場合、故障した1台を新しい物に交換すると、リビルド(再構築)が必要となってきます。
しかし、障害が発生しているときのリビルドは、先にも説明したように内蔵HDDの製造期間が同時期のものが搭載されていますので、一度HDDに発生すると他のHDDも障害が発生して状態を悪化させる危険性があるため厳禁です。
最悪、すべてのドライブが破損し、復旧不可能に陥るリスクがあります。
加えて、再構築が途中で止まってしまうと、RAID情報が壊れてしまい、データ復旧業者でも、データの復旧は非常に困難となります。
NASに障害が発生した時に、その対処としてファームウェアアップデートが紹介されています。 しかしSTATUSランプが赤点灯、赤点滅をして明らかにHDDの異常を分かっているような状況でファームウェアアップデートを行うことは、ファームウェアアップデートがうまくいかないばかりか、かえってHDD障害を進行させることになりかねません。
安易にデータ復元ソフトを使用してしまうと、物理的にHDDに高負荷がかかり状態を悪化させる危険性があります。NAS内に保存しているデータを安全に取り出すためには、データ復元ソフトの使用は避けるのが賢明です。
複数のHDDを1つのドライブのように構成するRAIDは複雑で、HDD単体ではデータを見ることはできません。NASを運用しているOSはパソコンと異なります。故障したNASを単体でパソコンに接続すると、ハードディスク内のファイルシステムの破損を招く可能性があります。
過去には、順番を間違えたり違う場所にディスクを入れてしまったりすると、RAID情報と実際の構成が異なる状況になり、その状況で起動するとシステム情報が破損や書き換わりが起きてデータ復旧の難易度を上げてしまう事例もありました。
また、1台構成もNASであったとしても内蔵HDDを取り出してパソコンにつないでもWindowsでは認識できない形式のため専門業者のような知識のあるところにデータ復旧を依頼するのが賢明です。
メーカーに修理を依頼すると、内蔵HDDは交換して修理ができても、中のデータについては消えても保証できませんと言われます。
そのため中にある大切なデータについては、専門業者に依頼をすることをおすすめいたします。メーカーのサポートでもそのように言われることが多いです。
NASに障害が発生した場合、どういったデータ復旧業者に依頼するのが良いのか。 信頼できる業者選びのポイントは6つです。
ポイント① 店舗があるデータ復旧業者か?
ポイント② 成功報酬制のデータ復旧サービスか?
ポイント③ セキュリティ管理が徹底されているか?
ポイント④ 対象機器の復旧実績はあるか?
ポイント⑤ 納期指定ができるか?
ポイント⑥ スタッフの対応は親切丁寧か?
特急データ復旧ウィンゲットは6つのポイントをクリアしております。
初めてデータ復旧を依頼するお客様にもご安心いただけます。
ここで、弊社特急データ復旧Win-Get!が、実際にご依頼いただいたNASの誤消去からのデータ復元の事例をご紹介します。
【事例1 E14とE30のエラーが発生したTeraStationのデータ復旧】
Buffalo TeraSation TS-XEシリーズ
HDD4台構成 RAID5
share(共有フォルダ)に入る事ができない状態。
液晶画面に、E14とE30が表示されていた。管理画面を確認したところ、DISK2台にエラーが発生している。
診断の結果、DISK4台中3台のHDDに物理障害が発生していることが判明。また、HDDの故障により、RAIDアレイにHDDがマウントできない状態。
データ復旧を行うためには、物理障害のあるHDD内の読込ができない領域(不良セクタ)を読み込めるようにするクローン作業を行い、正常にデータの読み書きができるように修復をします。その後、修復されたクローンディスクを使用して、再度RAID構築を行い、結果としてほぼ全てデータを正常に復旧することに成功。
E4:ファームウェアが破損しています
E30:エラーが発生し、x番のHDDがRAID アレイから外されました
【事例2 LANDISK削除したのデータ復旧】
IODATA LANDISK HDL2Aシリーズ
HDD2台構成 RAID1
部署内で共有使用していたLANDISK(2台構成)からデータを誤って削除した。
完全削除をしてしまったため、ごみ箱にもデータが残っていない状況。
HDD内の領域のスキャン作業を実施したところ、削除されたデータの痕跡を確認しました。
LANDISKに入っている2台のHDDの削除データの解析作業を実施。その後、解析した情報を元に、削除データの復元を実行、結果として無事データ復旧に成功。
NASの障害や避けるべき対処について紹介をさせていただきました。
特にNASのランプが赤点滅になって困った時には、内蔵ハードディスクに障害が進行しないように、NASの電源を切りましょう。障害が生じている時に通電を続けることや電源の入り切り、再起動の繰り返し、操作を続けることは大変危険です。また、自身で誤ったデータ復旧方法を試みた場合、状態が悪化してデータ復旧の難易度が上がり、データ復旧ができない最悪の事態に陥る可能性もあります。
データ復旧が必要な際は、自身で何とかしようとせずプロのデータ復元業者である特急データ復旧Win-Get!へご相談ください。
特急データ復旧Win-Get!では、NASで復旧データをお渡しして、データ共有の体制も含めた迅速な復旧が可能です。
今後のバックアップを含めたデータ保存体制に関するお問い合わせもお受けしておりますので、不安に感じた方は併せてご相談ください。
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