社内で使用されているNASは、企業情報や顧客情報の管理、データ共有などの重要な役割を担っています。
NASは、多くの企業で使用されており、故障してしまうと業務に大きな支障をきたしてしまうこともあります。
今回はそんなNAS機器でトラブルが起きてしまった福岡県の企業様の復旧事例をご案内します。
Contents
保存しているデータが2年前!?
【ご相談のあったお客様】
福岡県北九州市・法人様 食品関係
機器メーカー:Synology
機器名称:DiskStation
型番:DS216 RAID1構成
【ご相談内容】
5~6年使用しているSynology社製のNAS(DS216)の中に、顧客情報や書類関係のデータが保存されているが、中のデータがすべて2年前の状態になっている。
昨日まで2021年のデータを利用していたが、データが一切見当たらない。
NAS機器の状況を見てみると、DISK1が稼働しておらず、DISK2が稼働状態であることが判明している。
早急に必要なデータがあるため、福岡オフィスにご来店をご希望とのこと。
Synology 診断開始!
初期診断内容
Synology社製NASの診断を開始
今回の障害のHDDは、Western Digital社製(WD社製)のHDDです。
Synology社製のNASからHDDを2台取り出し、データ復旧専用機材に接続を行い、HDDの状態を確認いたしました。
DISK1のHDD:物理的な障害が発生しており、不良セクタ(データの読込ができない領域)の存在を確認。
DISK2のHDD:DISK1同様、物理的な障害が発生していました。しかし、データが書き込まれていないセクタ情報が不良のため、DISK2だけで稼働できていたと判断します。
データ復旧作業内容
DISK1,2のHDDともにデータ復旧を行う専用機材を使用して、クローン作業(磁器転写作業)を実施しました。
DISK1のHDD:作業途中の段階で、一部データの内容を確認したところ、2021年のデータを確認しました。
そのため、DISK1のHDDからのデータ復旧作業を引き続き行いました。
一部不良セクタを確認していますが、クローン作業の設定変更により、読み込めないセクタ情報も正常なセクタ情報として読み込むことに成功しました。
結果、DISK1のHDDから無事に99%以上のクローン作成が完了しました。
DISK2のHDD:作業途中の段階で、データの内容を確認したところ、お客様の内容通り、2019年までのデータしかない状況でした。
DISK2のHDDからのデータ復旧では、お客様が必要とされるデータは復旧できないと判断しました。
データ復旧作業結果
クローンHDDからデータの内容を確認したところ、99%以上のデータ復旧に成功しました。
弊社で最近の日付のデータや必要データのオープン確認をランダムで行い、50点中50点、エラーなどもなく正常にデータを開くことが確認取れました。
最終、お客様に直接データ内容の確認をしていただき、必要とされているデータが復旧できていることが確認取れました。
復旧担当スタッフの声
お客様は突然2年前のデータになっており、非常にお困りの様子でした。
データが古い状況だったため、現在進行している業務に支障が出てしまうということで、早急なデータ復旧を希望していました。
福岡オフィスに障害のNAS機器を持ち込んでいただき、当日中に必要データのみ納品対応が完了し、お客様もご安心頂ける結果となりました。
今回、気を付けていただく点として、NAS機器を使用しており、RAID1であれば安心だという点は間違いであるという事です。
今回のケースのように2台のHDDにデータが保存されていると思い込んでしまっていると障害が起きた際、業務に支障が出てしまいます。
NAS機器のDISK1,2ともに電源が付いているから安心だとしても、DISK2だけは2019年で壊れていたという事実を把握できていない状態だったため、データ復旧はDISK1からしかできなかったのが現状です。
社内の重要データはNAS機器だけに保存するのではなく、バックアップなどの環境の構築もしっかりと行うようにしましょう。
バックアップの環境構築
バックアップは3-2-1ルールで構築!
バックアップをしている気になっていませんか?
別の媒体にちゃんとデータを保存しているから大丈夫だと安心していませんか?
バックアップの環境構築は、社内のデータを守るためにも必要です。
是非、参考にしてください!
①データはコピーして3つ以上持つ!
オリジナルのデータとは別に、複製した2 つ以上のバックアップデータを作ることです。
バックアップが1 つしかない場合、オリジナルデータと同時にデータが消失してしまう危険性があります。3重、4重でのデータを持つようにしましょう。
②2種類以上の媒体にデータを保存する!
バックアップの保存先はNAS・外付けHDD・USB メモリ・DVD 等、いくつかありますが、全て同じ媒体で保存をしてしまうと、同時に寿命を迎えてしまいデータを失ってしまう危険性があります。
メディアによって特性や寿命が異なるため、2 種類以上の媒体に保存することでより安全にデータを守ることができます。
記録メディアの寿命に関しては、こちらを参考にしてください。
③バックアップの1 つは遠隔地で保存する!
複数バックアップを取ったとしても、火事や地震などの災害によって、すべてのデータが一気に消失してしまう危険性があります。
1 つは物理的に離れた場所へデータを保管することが必要です。
企業では数百キロ離れた他拠点※にバックアップを取る、もしくはオンラインストレージにバックアップを取るのもお勧めです。
機材貸出無料・クラウド無料トライアル
弊社では、お客様のデータを救うことだけでなく、今後、2度とデータを失うことのないようにバックアップの環境構築のサービスを提供しています。
・QNAP社製高耐久NASを採用した保守サービス付きの「GUARDIAN+R」
・クラウドオンラインストレージ「Winget cloudTENMA」
現在、機材の無料貸出やクラウドの無料トライアルを行っていますので、弊社のサービスを利用したい方は是非、ご活用ください。
データ復旧だけでなく、バックアップに不安がある や 環境に適したバックアップ方法を知りたい 等々、データに関することなら何でもご相談に応じます!
何かお困りの際はお気軽にご相談ください。