NASは電気機器であるため常に発熱しています。
冷却用のファンがついていますが、高温環境下では熱がこもりやすいものです。
放熱がうまくいかなければ故障してしまい、業務が滞ってしまうだけでなく、重要なデータを損失する恐れがあります。
今回の記事ではNASが暑さで故障してしまう原因や、夏場の暑さ対策について詳しく解説します。
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Contents
NASが暑さで故障するときの症状や原因は?
NASは「Network Attached Storage」の略称のとおり、ネットワークを通じてアクセス可能な外部ストレージです。
ストレージとは記憶媒体のことで、具体的にはHDDを意味します。
つまり、NASの内部は複数台のHDDで構成されているわけです。
NASが暑さで故障するときは、ほとんどの場合HDDに不具合が発生して正常にデータへアクセスできない状態になっています。
HDDは磁気ディスクを高速回転させてデータの読み書きをおこなうため、必然的に発熱量が大きくなります。
うまく放熱できなければ、HDDの部品が変形・劣化して物理的な損傷さえも起こりかねません。
また、誤作動が発生してデータが誤って消去されたり、ひどいときにはHDDから出火したりするケースもあります。
NASには冷却ファンがついていたり、ファンレスでも放熱できる筐体のモデルがあったりするので、部屋が多少暑いからといって簡単に故障するものではありません。
しかし、ファンが経年劣化して回っていない場合や、筐体にホコリがたまっている場合には熱がこもってしまいます。
NASを壁際などに設置するのも、故障の原因となります。
筐体近くに熱をさえぎるものがあると、放熱がうまくできないためです。
NASを暑さから守る効果的な対策とやってはいけないこととは?
NASの暑さ対策の1つ目は「室温管理」です。
NASを設置している部屋に人がいないとき、高温になっている可能性があるので注意してください。
2つ目の対策は「設置場所に気をつける」ことです。
熱がこもりやすい壁際はもちろん、窓際など直射日光が当たるような場所も避けなければなりません。
3つ目は「筐体のメンテナンス」です。
定期的に筐体を開けて内部に溜まったホコリを掃除し、冷却ファンが故障していないかチェックします。
対策の4つ目は「冷却効果を高める」ことです。
HDDに専用の冷却シートを貼り付けたり、扇風機などの風が当たるようにしたりして、高温環境下でも放熱しやすいように対策しましょう。
NASが高温になっているときに、やってはいけないこともあわせて紹介しておきます。
1つは、「再起動や電源のオンオフを繰り返す」ことです。
電子機器の動作が重くて不安定になったとき、再起動や電源のオンオフを試すのは一般的な対処法ですが、いわゆる熱暴走状態になっているときは逆効果となります。
起動時の消費電力は大きいため、さらに発熱量が上がり状況が悪化してしまうからです。
また、早く熱を冷まそうとして「急激に冷却する」のもやってはいけません。
機器の内部に結露が発生し、電子部品に致命的なダメージを与える恐れがあるためです。
氷水を入れた袋や凍った冷却用ジェルなどで冷やしたりすると、故障の原因になりやすいので絶対にやめましょう。
NASの電源を落として自然冷却させるのが最も適切な対応です。
NASが暑さで故障してしまったらデータ復旧は可能?
高温下で使用していたNASが故障してしまっても、データ復旧がおこなえる可能性はあります。
ただしそれは、故障に気がついてから速やかにデータ復旧の専門業者に依頼した場合です。
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暑さによる故障に限りませんが、HDDのデータ復旧を自力でやろうとするのはおすすめしません。
磁気ディスクやヘッダなどが物理的に損傷している状態で無理に起動させれば、さらに傷が増えて専門的な技術を使っても復旧が困難になります。
特にNASはRAIDを組んで、複数のHDDを運用しているケースが多いです。
RAIDは間違ったやり方で復旧させようとすると、データを消失してしまったり、データの論理構成が崩れてしまったりします。
暑さで故障したHDDの内部状況が不明のまま、リビルドなどの復旧作業を安易におこなわないことが非常に重要です。
最悪の状態になってから専門業者にNASを引き渡しても、完全なデータ復旧はほぼ見込めないでしょう。
確実に復旧するためには別のストレージに定期的なバックアップをとることです。
バックアップがあれば、突然の故障が発生してもデータ消失のリスクは減ります。
暑いオフィスでもNASの運用はできるのか?
「NASを導入してみたいが、冷房設備が不十分なオフィスでもきちんと運用できるだろうか」というような不安があって、NASの導入をためらっているネットワーク管理者もいるでしょう。
前述した暑さ対策をある程度おこなっていれば問題は起こりにくいですが、実際に運用してみないと確かに何ともいえません。
NASを実用できる環境であるか試したいなら、無料貸出サービスを利用するのがおすすめです。
株式会社リプラスにはQNAP社製NASの無料貸出サービスがあり、本格的にNASを導入する前に試用して確かめることができます。
NASを適切に冷却すれば故障は防げる!
夏場のように室内が30度前後の時、NAS機内部の温度は60度近くになります。
実際の最適動作温度(HDD本体の温度)は40度付近が良いとされており、60度以上になると寿命が1/5になるとの研究結果もあります。
室温が高かったり、冷却機能がうまく働いていなかったりしてしまうと、機器の寿命が早まってしまう危険性があります。
そのため前述のような室温や設置場所に注意し、メンテナンスや冷却効果を高める工夫をすれば、NASの暑さ対策を施すことができます。
故障かなと思ったときは、NASの電源を落として自然冷却させてから再び電源を入れて様子を見てください。
明らかに動作がおかしいときは、HDDの不具合が疑われます。
NASからデータが取り出せない状況の場合は、極力自己解決しようとせず、まずはデータ復旧の専門業者に依頼しましょう。