ピーピーと警告音が発生!?
午前中まで稼働していたLANDISK(HDL2-A4.0)が、お昼休みが終わり社内に戻ると、ピーピーという警告音が発生していました。再起動しても、警告音は発生し続け、変わらない状態でした。
お客様にてHDDを接続キットに繋げて認識するか確認を実施したところ、HDDが稼働しない状態であり、動いている気配がないとのことで、お困りの状況でした。
月末のため、見積書や請求書などの書類関係のデータが必要であり、早急にデータ復旧をしてほしいとお客様からご依頼をいただきました。
今回は、お急ぎでデータの復旧が必要であり、かつ、お客様の作業内容から重度障害の可能性が高いため、ご来店をオススメし、熊本県熊本市から起こしいただきました。
データ復旧 診断開始!
初期診断内容
店頭に持ち込んでいただいたLANDISK(HDL2-A4.0)の診断を行いました。
DISK2のHDDは起動から認識まで問題なく稼働することが判明しましたが、DISK1のHDDは通電した時点で反応がない状態でした。
DISK1のHDDは、HDD外側の基板が完全に壊れており、基板の交換を行う分解作業が必要な重度障害と判断しました。
復旧作業実施
DISK1のHDDに使用されている制御基板の分解およびシステム修復を行いました。
基板上での通電を確認し、DISK1のHDDへ組み戻したうえで、再度診断作業を実施しました。
挙動が不安定でしたので、データ復旧専用機材にてシステムの修復を行い、クローン作業(複製作業)を実施いたしました。
結果、不良セクタ(データの読込ができない領域)が全くない状態でクローンHDDを作成することができました。
復旧作業結果
取得したDISK2のクローンHDDとDISK1の元のHDDを利用し、RAIDの再構築を行いました。
診断時点で、RAID0であることは確認できていたため細部の調整を行い、RAID0を再構築しました。
再構築したデータ領域内から、お客様の必要なフォルダおよびデータも復旧できており、無事にデータが開くことも確認が取れました。
復旧担当スタッフの声
今回は、PCBと呼ばれるHDDの制御基板の障害が原因でした。
PCBの分解作業を行うことで、障害状態の改善を見込むことができますが、情報破損やチップの破損などを起こしていると、データ復旧自体ができなくなる場合もあります。
難易度の高いデータ復旧においては、高度な技術が必要になりますので、何かありましたらご相談下さい。
まとめ
弊社では、重度障害における分解作業の対応が可能です。
異音がする、通電しないなどHDDに問題がありましたら、是非ご相談ください。
特に、物理障害が発生している可能性が考えられる場合には、自己判断での診断作業は行わないようにしてください。
異音がする場合には、HDD内部のヘッド部品が壊れている状況のため、データが書き込まれているプラッタに傷をつけ、復旧を困難にさせる場合があります。
また、今回のように基板に障害が発生している場合、通電を繰り返すことにより基板上のチップが破損し、二度と復旧ができなくなる場合がありますので、十分な知識がない場合には、作業は絶対に控えるようにしましょう。
機器概要:I・O DATA社製NAS【LANDISK(HDL2-A4.0)】
内蔵HDD:Seagate社製 ST2000DM001
構成:RAID0
症状:電源を入れると、ピーピーと音が出る