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NASのシャットダウンを忘れてしまった・・・
朝に出勤すると、NAS(LANDISK/HDL-Z4WP4IX)へのアクセスができなくなっていました。IPアドレスをブラウザに入力し、NASにアクセスしようとしても出来ませんでした。
本体を確認するとディスク3番のHDDにエラーの赤ランプが点滅しており、カチカチという異音が発生している状態でした。
これは大問題です!なぜなら明日、入札で提出する資料の編集が必要で、これでは仕事になりません。
確認したところ、前日の夜にビルの計画停電が行われていました。
ビルの計画停電予定の場合、いつもは終業時にNASをシャットダウンする管理体制でしたが、このときは繁忙期のため社員がその対応を忘れてしまったと聞きました。
早急にLANDISKからデータの復旧が必要なため、インターネットで専門業者を検索したところ、名古屋市から岐阜県に出張復旧対応が可能とのこと。
すぐに総務担当者は特急データ復旧Winget!に問い合わせを実施しました。
障害発生から1時間半で現地にプロのエンジニアが到着
電話問い合わせより、すぐさまプロのエンジニアがデータ復旧のサービス説明、そして無料出張診断を実施してもらいました!
診断の結果、停電によってやはり3番のHDDに異常が発生しており、その影響からRAID情報が破損した(RAID崩壊)とのこと。
障害発生時、焦って何度か再起動をしたことが更に事態を悪化させてしまった可能性があると聞きました。
しかしエンジニアはその他のHDDよりRAIDの仮構築を行うことでデータが確認できると聞きました。
なんとか、現地のデータのお渡しも可能ということで、入札になんとか間に合いそうで、まずは一安心です。
停電により起こりやすいHDDの物理障害
今回は停電による3本目のHDDの故障が原因でした。
NAS本体やHDDが動作している時に停電が起きると突然給電が止まってしまい、物理障害を引き起こすことがあります。
停電に伴うHDDの物理障害は主に以下の2種類があります。
HDDの制御基板の故障(ショート)
停電から電力が復旧する際、機器に対して本来HDDが耐え得る量を超えた電流が一気に流れ込むことで制御基板がショートしてしまう障害です。
制御基板がショートするとHDDの各部品が一切動作しなくなり、データを読み書きすることが不可能になります。
磁気ヘッドの物理障害
今回の事例では3番のHDDにこちらの症状が発生していました。
本来HDDに通電がされていない時は、データを読み書きする部品である磁気ヘッドが待機位置(オレンジの部品)にある状態が正常です。
しかし停電が起きてHDDへの給電が突然止まることにより、磁気ヘッドが待機位置に戻り切る前にモーターが停止してしまい、磁気ヘッドがデータの記録面であるプラッタに吸着してしまうことがあります。
そういった状態で停電明けに通電を再開すると、磁気ヘッドとプラッタがお互いに接触したまま無理矢理モーターが回ろうとするため、磁気ヘッド・プラッタともに摩耗してしまい、最悪の場合プラッタに傷が入り復旧不可能にしてしまう危険性があります。
機器に問題が発生した際は不用意に電源の入り切り等を行わず、シャットダウンして専門業者へご相談されることをおすすめいたします。
①電源ボタンを長押しする
②ランプが消えて動作音が停止したことを確認し、電源ケーブルを抜いておく
停電時の故障を防ぐためのポイント
今回のケースのように、いくらRAIDを組んでいたとしても、故障したHDDを挿入した状態でRAIDを再構築するとエラーが発生し、症状が悪化してしまうケースが数多くあります。
弊社がご案内している「GUARDIAN+R」の導入も解決策の一つです。
データのバックアップやNASサーバーの運用などお困りごとがありましたらお気軽にご相談ください。
事例概要
・岐阜県
・建設業 法人様
・機器概要:I-O DATA LANDISK HDL-Z4WP4IX
・構成:RAID1+0 (4台構成)
・症状:3本目のディスクのヘッド異常によるRAID崩壊
・故障原因:停電によるハードシャットダウン
・使用用途:入札関係のCAD、オフィスデータの共有