台風により水害にあってしまったサーバ
長野県長野市にある会社様が過日の台風により水害にあわれてしまいました。
その中にあって現在進行形で進んでいる仕事のデータが保存されているWindowsサーバも浸水被害にあってしまいました。
顧客への影響を考えるとできるだけ早く業務を再開しなければ今後の会社経営にも影響してしまうため出来る限り早いデータ復旧のご要望をいただきました。
ご連絡いただいた当時、運輸会社さんの拠点も水害にあって集配が出来ない状態であったため、現地まで伺い機器を受け取りに行きました。
診断結果
あらためてサーバを開けてみたところ写真のように泥が中まで来てしまっているような状態でした。
ハードディスクを取り出し外観の洗浄作業を行いました。その後、ハードディスクを分解して浸水状況を確認したところ幸いにも浸水があったのは1台のみでした。
ここから基板やヘッド、モーターなど、ハードディスクを構成する同一モデルの製品から移植作業を行いました。分解作業は、同一モデルであれば同じものが使われているようにも思えますが、実のところ製造時期や製造工場が異なると部品が合わず使えないこともあり「人間の臓器移植のような相性」がありますので高い技術と経験が必要になります。弊社は、自社で分解作業をできる数少ないデータ復旧専門会社です。このようにしてハードディスクの部品をいったん分解して正常な状態にする”大手術”を経た上で、読み取れなくなったハードディスクのデータを読み出しできるようにする作業を全てのハードディスクに行いました。
読み出しできるようになったハードディスクの情報を別の健全なハードディスクに転写するクローン作業を経て、全てのハードディスクの情報をそろえることができました。その後、RAID情報の解析に時間を要しましたが、解析結果からRAIDを再構築してデータ抽出作業を実施いたしました。その結果、お客様の必要とするデータのほとんどを復旧させることができました。
スタッフの所感
今回、機器を受け取りにいく道中で水害の現場を目の当たりにしました。お客様からも水害発生が土曜日だったのでサーバなどを避難させることもできず、会社を見た時はこれからどうすればいいのか全く分からない放心状態であったとのお話も聞きました。それだけに困難は予想されましたが、絶対にデータを復旧しなければと思った次第です。
結果的に私たちがお客様の大切なデータを復旧できたことは何よりで、現地へデータをご納品に行った際にも「これで命がつながった」と言われたお客様の笑顔はずっと忘れないと思います。
バックアップの構築
お客様には、今後のファイルサーバとして弊社のGUARDIAN+Rを導入いただきました。GUARDIAN+Rは、厳選した高耐久HDDを搭載した高性能なNASを、出張導入サポート+データ復旧保証+クラウドバックアップするサービスです。
今回の経験からクラウドへのバックアップと遠隔地にNASを設置してバックアップをするWバックアップ体制を構築しております。クラウドのバックアップは、機器の故障によるデータ損失の機会がありません。またクラウドと遠隔地バックップは、メイン機器が今回の様な水害や火事などの被害にあっても中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするBCP対策として有効です。
リプラスでは、データ復旧だけでなくお客様の大切なデータを守るご提案をデータ復旧3万件以上の経験からお客様の状況に合わせてご提案させていただきます!
事例概要
・法人様(製造業)
【機器概要】
・メーカー:富士通製
・機種:サーバ
・型番:TX300 S8
・RAID構成:RAID5
・症状:水害にあった