はじめに
法人様の中にはお取引先様やお客様のデータをデータベースで管理されている方もいらっしゃると思います。
しかし、いざそのサーバーが故障してしまうとどうなるでしょうか。
データが参照できず仕事にならないことが想定されます。
今回はHDDの物理故障が原因でアクセスできなくなったサーバーからのデータ復旧事例をご紹介します。
お客様からのお問い合わせ
サービス業の法人様から以下のお問い合わせをいただきました。
昨晩に停電が発生し、Linuxサーバーの電源が落ちていました。
(DELL製サーバー:PowerEdge-T320)
再起動を試しましたがサーバーは立ち上がらない状況。
Linuxサーバーの構成は500GBのHDD2台でRAID1で構成されています。
内蔵HDDでデータが見られるか試しましたが、中のデータを見ることはできませんでした。
Linuxサーバーには顧客情報が入ったデータベースが入っていて、緊急で必要です。
業務が止まっており、現場は混乱しているということでした。
何とかデータ復旧したい、とにかく急いでいるので出張で来てほしいとお問い合わせいただきました。
Linuxサーバーを出張診断
早速名古屋市の現地へお伺いし、Linuxサーバーに内蔵されている2台のHDDを初期診断いたしました。
その結果HDD2には軽度の物理障害(不良セクタ)が発生していました。
また、HDD1は重度の物理障害でハードディスクの分解作業が必要となる状況でした。
RAID1であることが確認できましたので、HDD2のクローンを取得し、データ復旧を試みました。
HDDに異常が発生しているため、障害HDDから正常なHDDへの磁気情報(内部情報)の転写(コピー)を行いました。
その後解析ツールを用いてデータの取り出しに成功しました。
今回のLinuxサーバーでは、HDD2台で「RAID1」が組まれていました。
「RAID1」はミラーリングとも呼ばれ、
1台のHDDが故障してももう1台のHDDが正常であればデータの取り出しは比較的容易にできます。
しかし、今回のような重要なデータを管理するうえで、
HDD2台よりもHDD4台以上で運用する方がより安全です。
HDD4台で運用する場合は、より安全な「RAID5」や「RAID6」を構築することが可能です。
HDD4台構成のRAIDでは、「RAID5」「RAID6」で運用されるケースが多いです。
「RAID5」は、1台のHDDが故障しても運用が可能なRAID構成です。
使用できるストレージの容量は「RAIDを構成しているHDDの本数からマイナス1本の容量」となります。
※例 1TBのHDD4台の場合→使用容量「3TB」
「RAID6」より使用できるストレージの容量が多いため、耐障害性を持たせつつ、大容量のストレージを使いたい場面に有効なRAID構成です。
しかし、HDDが2台同時に故障してしまうと運用が不可能となりますで、その点は注意が必要です。
「RAID6」 は、2台のHDDが同時に故障しても運用が可能なRAID構成です。
使用できるストレージの容量は「RAIDを構成しているHDDの本数から2本のHDD容量を差し引いた容量」となります。
※例 1TBのHDD4台の場合→使用容量「2TB」
「RAID5」よりストレージの容量は少なくなりますが、何より耐障害性が高く、より強固なリスク対策を構築することができるRAID構成です。
データ復旧に成功!
データを取り出すことができ、
Linuxサーバーのデータベースを構築した保守業者にも内容を確認いただき、再構築作業を行いました。
その結果データベースを復活させることができました。
非常に大切なデータとお聞きしていましたので、データ復旧することができ大変安心いたしました。
・サービス業の法人様
・機器概要:DELL製Linuxサーバー
・型番:PowerEdge-T320
・構成:RAID1(HDD2台)
・症状:停電により電源が落ちてしまった
・故障原因:HDDの物理障害
今回、DELL製Linuxサーバー(PowerEdge-T320)からデータ復旧に成功いたしました。
お客様からも大変ご満足をいただきました。
特急データ復旧Winget!では
緊急を要する場合や個人情報で持ち出せないデータなど、出張でデータ復旧を行っております。
データ復旧でお困りの方は、ぜひ特急データ復旧Winget!までご相談ください。